被曝・診療 月報 第18号 

2016.10①県内外避難者の帰還の強制に反対し、全国で避難者を守る大運動を起こそう。

               ふくしま共同診療所院長  布施 幸彦

imageはじめに
8月28日山形県で福島県から自主避難している828人が「住宅支援の延長を求める会」を発足させた。会は、「福島県知事との対話・住宅支援の延長実現・全国の避難者との協力」を掲げて活動する。
9月8日で楢葉町の避難指示が解除されて1年が経過したが、帰った人は約1割でほとんどが高齢者。来年の4月にはこども園と小中学校が再開予定だが、園と学校に通う意向の子どもたちは16%に留まっている。若い人や小さな子どもがいる家族は、避難指示が解除されても高汚染地域には帰りたくないのだ。

県内外避難者への帰還の強制が始まった
事故後十数万人が県内外へ避難した。これまで福島県は自主避難者に対し住宅手当の補助を行い、避難先の自治体も県営住宅の提供などの便宜を図ってきた。しかし国が避難指示を次々に解除するなか、福島県は2017年3月で補助金を打ち切ることを宣言。それだけでなく、都道府県の自治体の職員と福島県の職員が県外避難者の自宅を回って「帰還するよう」に説得工作を行っている。東京都の場合、都職員・区職員・福島県の県・市職員の4人が自宅まで訪問し、「補助金の打ち切りと住宅の便宜の中止」を通告し、強制的に福島に帰そうとしている。
県内の仮設住宅や借り上げ住宅に避難している避難者に対しても、「除染を行った」として年間20~50mSvに及んだ高汚染地域の自宅に帰そうとしている。

南相馬市小高の場合
7月12日に避難指示が解除された南相馬市小高区の場合、1万2000人の内、小高に帰ると言っているのは約2000人。多くの人々は小高に帰ることを拒否し、このまま仮設住宅や借り上げ住宅に住みたいと思っている。しかし仮設住宅の期限は来年3月までの予定。復興住宅の数は少ないので、小高に家がある人々は復興住宅には入れない。このままでは彼らは小高に帰るしか道はない。
避難指示の間は、固定資産税等の税金の免除が行われていた。しかし避難指示解除となれば、自宅へ帰ろうが帰るまいが固定資産税や光熱費等の徴収が始まる。そして東電から出ている精神的賠償金も打ち切られる。

飯舘村の学校の再開に関して
飯舘村は来年4月に避難指示が解除される。菅野典雄村長は解除とともに幼稚園・小学校・中学校を再開させると表明。理由は「学校のない自治体は考えられない」から。避難指示が解除されても子どもや若者が戻らなければ、楢葉町のように高齢者しかいない町になる。村中には汚染物質のフレコンバッグの山があり、いつ撤去出来るかの見通しも立っていない。そこに学校を再開し子どもを帰そうとしている。子どもたちの健康を無視し、子どもたちを人質にとった帰還の強制-棄民政策。保護者有志は学校の再開を2020年4月以降にするように要望した。「村のために学校があるのではなく、子どものために学校があることを考えてほしい」と言っている。当然の話だ。

避難する権利を守ろう
避難指示が解除された故郷に帰りたいという気持ちはよく分かる。終の棲家として帰りたい人が帰ることはいたし方ないと思う。
しかし子どもに放射能による健康被害を生じさせないために、困難な生活を覚悟し県内外へ避難した家族を、経済的困窮を強制することによって、放射能汚染の地へ帰そうとする政策は間違っている。彼らには避難する権利がある。

今私たちがすべき事について
1. 原発事故の一切の責任は国と東京電力にあります。国と東電に県内外の
避難者への生活の補償、健康の保障を行わせましょう。

2. 全国の皆さん。県外避難者を各都道府県で守る運動を起こして下さい。
県外の避難者の権利と生活を守ることが、全原発廃炉への道です。
知事・市町村長や県市町村職員組合への申し入れを行って下さい。

3. 福島県内の避難者の帰還しない権利を守ることも重要です。
福島県知事・市町村長・県市町村職員組合への申し入れを行いましょう。

4. 全国各地で運動を立ち上げ、来年3月の帰還の強制を阻止しましょう。

②8.5医療関係者交流会報告
③県検討委員会弾劾の声さらに拡大

④福島の現状(8.1~9.25)
⑤活動日誌 福島の現状の続き

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