被曝・診療 月報 第20号

「第2回被曝・医療福島シンポジウム」開催に向け、
ご賛同をお願いします

来たる2017年3月12日に、「第2回被曝・医療福島シンポジウム」を、上記「シンポジウム開催要領」のとおりで開催いたします。その成功のために、ご協力・ご賛同を頂きたく、ご配意の程、よろしくお願い致します。
1.11東日本大震災と、福島原発事故から、5年半を経過しました。2年前、私達は「被爆・医療シンポジジウム」を福島市で行い、福島の被曝の状況と、健康被害の実情、とりわけ小児の甲状腺がんの増加につき、公開の場で、多くのシンポジストと県民の共同作業として、「避難・保養・医療」の重要性と今後の方向性を真剣に語り合い、「福島県民の健康を守りぬこう」との共通認識を、端緒的ながら確認できたと思っています。以来2年を経過した福島の現状は、さらに危惧された状況が進んでいます。

① 小児甲状腺がんは増加の一途をたどり、チェルノブイリで見られた「事故後4~5年後からの増加」の段階に達しています。検診・検査の重要性が決定的となってきています。
それに対して、「県民健康調査検討委員会」は、依然として「被曝の影響ではない」と根拠のない主張を続けています。さらに県小児科医会の「健診デメリット論」の「要望」を受けるかたちで、甲状腺検査の「縮小・希望制」への変更(結果的には打ち切り)が進められようとしています。許しがたい事態です。

② 9万人を超える県内外避難者に対して、段階的に高汚染地域への「避難指示」が解除されつつあります。多くの人々は帰還を拒否しています。更に、自主避難者に対する補助の打ち切りを2017年3月と宣言しています「安全・安心」と称して、避難者の経済的困窮を強い、帰還=被曝・健康被害を強制する政策が進められています。憂慮すべき事態です。
③ 放射線による健康被害の実情と解明は、福島の地において、さらなる論議を深める時期に来ています。長期の被曝、とりわけ内部被曝の医学的解明・検討を深めることが、「県民の命と健康を守る」ことに寄与すると考えます。これらの状況を踏まえて、第2回目のシンポジウムを2017年3月12日(日)に、福島の地で開催したいと思います。「安全・安心・帰還・復興」のキャンペーンの下、健康被害、生活破壊、被曝強制が進む現状に抗して、ともに考え、論議を尽くそうではありませんか。
シンポジウムヘの参加を切にお願いいたします。またシンポジウムの成功に、協力・支援をお願いいたします。

2017年1月5日

第2回シンポジウム実行委員長 ふくしま共同診療所名誉院長 松江寛人

  呼び掛け人
*元放射線総合研究所医学主任研究官元国会事故調査委員  崎山 比早子
*放射能から子どもたちを守る全国小児科医ネットワーク代表   山田 真
*ふくしま共同診療所院長      布施 幸彦
*ふくしま共同診療所医師      平岩 章好
*ふくしま共同診療所医師        湊    明


この号の内容

1. 「第2回被曝・医療福島シンポジウム」開催へ

2. 福島における「非合理ながん診断」一県立医大はどのように彼ら自身の調査をサボタージュしているか–ノーベル平和賞受賞団体 IPPNW(核戦争防止国債医師会議) 原子力通信2016年8月号

3. 第25回健康調査検討委員会についての報告—ふくしま共同診療所事務長 須田 儀一郎

4. フクシマの放射能汚染‥「年20mSVを下回れば人は住めるか」–南相馬。避難勧奨地域の会事務局長 小澤 洋一

5. 「3.11甲状腺子ども基金」を設立しました–『原子力資料情報室通信』第509号から抜粋