3.10被曝・医療・福島シンポジウム報告集 事故より8年、福島の現実と課題 『被曝・診療 月報』特別号(第33号)

【発行所】 ふくしま共同診療所
〒960-8068 福島県福島市太田町20―7 佐周ビル1 階
(TEL)024-573-9335  (FAX)024-573-9380
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【編 集】 本町クリニック事務局
〒185-0012 東京都国分寺市本町2-7-10 エッセンビル2 階
(TEL)042-324-9481  (FAX)042-400-0038
(メール)suzuki@honkuri.com
【頒 価】 650円
(銀行口座) みずほ銀行 国分寺支店
普通 4282013
名義 『被曝・医療月報』

目次

◆福島の現実と格闘し、被曝医療を続ける—- 1
-シンポジウム実行委員長の挨拶-
ふくしま共同診療所院長 布施幸彦
◆ICRP(国際放射線防護委員会)体系を科学の目で批判する—- 4
社会的・経済的戒律から科学と人権に基づく「放射線防護」体系へ
琉球大学理学部名誉教授 矢ヶ崎克馬
◆被災当事者にとつての東電原発事故—- 14
~健康被害と損害賠償問題を中心に~
医療法人創究会 小高赤坂病院理事長/院長 渡辺瑞也
◆文在寅(ムン・ジェイン)政権下での原発政策について—-32
東国大学医学部教授 キム・イクチュン
(通訳 韓目国際間通訳 カン・ヘジョン)
◆ビデオレター 3.10国際シンポジウムに寄せて—-37
IPPNW(核戦争防止国際医師会議)ドイツ支部 アレックス・ローゼン
◆質疑応答
◆コーデネーターとしてシンポジウムを振り返る—-52
医療法人社団緑杉会 本町クリニック院長 杉井吉彦
◆寄稿 フクシマの苦悩の「打開策」—-53
-被爆地ナガサキの二の舞を演じないために一
やまぐちクリニック(大阪・高槻)院長/現代医療を考える会代表
山口研一郎

福島の現実と格闘し、被曝医療を続ける
ーシンポジウム実行委員長の挨拶-
ふくしま共同診療所院長 布施幸彦

 プロフィール
元群馬県館林市立厚生病院副院長
ふくしま共同診療所建設運動に参画
2016年4月よりふくしま共同診療所院長

 

東電に必ず責任を取らせる
皆様、遠くから来てくださり本当に有難うございます。シンポジウムは、今年で3回目になります。第1回目は2015年に開催しましたが、その時の実行委員長は初代の診療所院長である松江寛人で、2回目も松江が実行委員長を務めました。
診療所は、松江が2012年12月の開院時に院長を引き受けてくれたお陰で、開院できました。松江は、60年安保闘争の時の医学連委員長で国会突入闘争を闘った人です。松江は、原発事故があって診療所を開設するときに院長を引き受けて、国や県との交渉の矢面に立ち、徹底抗戦を続けて診療所を維持してきたのです。一昨年の3月11日に脳出血で倒れまして、昨年の3月10日に逝去されました。今日は、その一周忌になります。
福島の現実を見据え、東電と国に絶対に責任を取らせるまでに彼の遺志を引き継いで、診療所を続けていきます。
今日は松江の一周忌であるとともに、3.1朝鮮独立運動の100周年でもあります。このシンポに、韓国からキム・イクチュン先生に来ていただき、ご発言していただくことは、非常に嬉しいことです。キム先生は、ロウソク革命でパク・クネを倒し、ムン・ジェイン政権を作った一人です。
私たちは、韓国の闘いに学ぶ必要があると思います。

福島が抱える6つの問題
今、私か鼠島で問題となっていると考えていることは、以下の6点です。
一つは、小児甲状腺がんの多発についてです。もう一つはトリチウムを海に流すとい海洋汚染の問題。三つ目は中間貯蔵施設が、結局は永久貯蔵施設となり、汚染上の搬入で放射性物質が全県へまき散らされること。四つ目は、福島第一原発の廃炉作業が現在行われていますが、その危険な廃炉作業で、何時再爆発するかわからないということです。デブリをすべて取り除くのですが、デブリを取引徐く技術は今のところありません。

今福島で問題となっているこむと
1)小児甲状腺がんの多発
2)高汚染水処理,トリチウム海への放出
3)「中間貯蔵」という名の「永久貯蔵施設」と搬入による放射能汚染の拡大
4)第一原発の危険な廃炉作業と原発労働者の被曝強制
5)復興という名の被ばく強制と棄民政策
6)「復興五輪」と称して福島原発事故を終息させる国の政策
東電は、30年から40年で廃炉作業を終わらせるといっていましたが、もう8年が経ちました。何かできたでしょうか。あと30年から40年で本当に廃炉できるとは思えません。何十年経っても第一原発の廃炉作業は続くのです。原発の廃炉作業は大変な作業ですが、原発を再爆発言せないために、原発労働者が被曝しながら頑張って、現状を支えています。廃炉作業に従事している原発労働者の健康を守ることが大切です。
五つ目は復興という名の被曝の古川の問題です。年間20ミリシーベルトを超えた所でも規制をどんどん解除し高汚染地域への帰還を強制しています。
帰還困難地域で今後帰ることの出来ない住民に対しても住宅補助を打ち切ることも行われます。まさに棄民政策そのものです。
六つ目には、束京オリンピックの問題です。オリンピックの聖火ランナーは、福島から出発します。そして野球とソフトボールは福島市で行うのです。
オリンピックを行うことによって、「福島の原発事故は終かっか」のだと宣言したいのです。オリンピックのため約3兆円使うと言われています。
その3兆円を福島のために、全国で避難している人々のために使えばいいのです。オリンピックを返上させるような闘いを、この1年問でやりたいと思います。

福島の現状
今、日本は、原子力非常事態宣言下にあります。その下では一般人の放射能の詐容限度である年間で1ミリシーベルトが無視され、年間20ミリシーベルト浴びても50ミリシーベルト浴びても仕方がないとされています。図は2011年からですけれども、100年たっても放射能は残り、100年たっても原子力非常事態宣言は解除されません。
県外に避難している人は、32、768人です(図3)。沖縄へも182人、全国へ避難しています。

甲状腺がんは確かに多発している
検討委員会の公式発表で207人ががんないし疑い、167人が手術しています。ただ実際は、272人までは確実にいることが分かっています。

小児甲状腺がんの発生の推移
先行検査(1巡目) 116人(102人手術)
本格検査(2巡目) 71人(52人手術)
本格検査(3巡目) 18人(13人手術)
本格検査(4巡目) O人(O人手術)
25歳節目検査    2人(O人手術)
合計207人(167人手術)
実際は、もっと多いと言われています。
避難・中・浜・会津の甲状腺がん発生率の表(図5)は検討委員会で出されたむので、避難地域、中通り、浜通り、会津の甲状腺がん発症率ですが、放射線量の高い順にがんの発症率が高いということが分かります。

以来6年間診療所はこんな活動を行つてきました。

6年間の具体的実践
① 甲状腺エコー検査(延べ約3000人〉などの医療行為と放射能被害を含めた健康相談
② 仮設住宅での健康相談と個別訪問
③ 除染・原発労働者等の被曝労働者の検診と治療
④ 全国の保養施設の紹介
⑤ 県内外の避難者・被災者への支援
⑥ 講演活勤と全世界の反核・反原発組織との連携
⑦ 「被曝と帰還の強制に反対する」署名活動と県交渉
⑧ 県内外での無料甲状腺エコー検査

今後もこの活動を続けて、国と東電に責任を取らせる。そして、全国の原発を無くして行く、全世界の原発を無くして行く闘いをやっていきます。今日のシンポジウムは、その出発点です。

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