被曝・診療 月報 第25号 被曝による健康被害を告発する!

今号の内容

①被曝による健康被害を告発する
②<特集1>全国保険医新聞寄稿批判「小児甲状腺癌とは」-2
③<特集3>菅間博論文批判
④福島の現状
⑤28回県民健康調査検討委員会傍聴記
⑥健康相談inいわき

 

 

被曝による健康被害を告発する!

ふくしま共同診療所院長 布施幸彦

<以下の報告は2017年11月4日に千葉市文化センター12階ホールに於いて開催された国際連帯集会で行われたものです。同集会は、韓国民主労総、ドイツ・ベルリン都市鉄道、米国西海岸港湾労働者とレーバ・|ビデオ代表:滞日労働者諸組織及び日本各地の労働・反原発・女性運動・農民運動の代表が出席しました。(編集部)


ふくしま共同診療所 布施幸彦院長

全世界から11.4労働者国際連帯集会に参加された皆様、ご苦労様です。私は、ふくしま共同診療所院長の布施幸彦(ふせさちひこ)です。2011年3月11日に起こった福島第一原発事故の地、福島県で診療を行っています。
福島原発事故は三つの原子炉のメルトダウンです。スリーマイル、チェルノブリを超える歴史上最大の原発事故です。今すぐ原発なくせ!は当該である日本の労働者人民の責務であると共に、全世界人民の共同の闘いです。

 最初に当院の設立経緯

原発事故後、日本政府と福島県行政と権威主義的医療界は「放射能の心配はいらない」という宣伝に躍起となり、今日に至っています。

そうした圧力のもとで、住民が放射能汚染による健康被害を心配し、医療機関にかかっても「放射能の心配はいらない」と診療を拒否する事態が全県各地で起こりました。福島では放射能による健康被害を相談できる医療機関が皆無に近かったのです。

そこで、放射能汚染による健康被害を心配する福島の住民と全国の医師有志で、「内部被曝・低線量被曝」は危険であるという医療機関を創ろうと、全国・全世界に募金を呼びかけたところ、日本の広範な人々が応じてくれました。

それだけでなく、韓国、ドイツ、アメリカなど全世界からのご協力もいただき、2012年12月1日に開院することができました。だから、当診療所は、全世界の労働者の国際連帯の結晶です。最初に全世界の労働者の皆さんに感謝申し上げます。

 「避難・保養・医療」という原則

福島は放射能汚染地域で全員が避難すべきです。だから第一には避難です。
しかし福島から避難できない多くの人がいます。その人たちは、放射能の影響のない地域にたとえ数日間でも保養に行った方が、放射能による健康被害を少なく出来ます。だから第二には保養です。
今でも多くの人々が放射能汚染地域で生活しています。こうした住民の健康を守るために診療所は医療を提供します。だから3番目に医療です。

今、福島で問題となっていること

①小児甲状腺がんの多発
甲状腺がんないし疑いが191人、手術で152人ががんと確定しました。国連科学委員会(UNSCEAR)、福島県、日本政府は「放射能の影響は考えにくい」と言っています。福島県では3000人に1人の割合で発生しています。チェルノブイリ原発事故と同じように放射能によるものとしか考えられません。
しかも現在、この小児甲状腺がんの健康調査を縮小解体しようとする政府の動きが公然と開始されました。それは放射能被害の国際的隠蔽であり、許すべからざる犯罪です。

 ②復興という名の被曝強制と棄民政策
日本政府は、いつ再爆発を起こしてもおかしくない福島第一原発周辺の年間20ミリシーベルトに及ぶ放射能汚染地域に住民を帰しています。県外へ避難した人たちの住宅手当全額補助は今年3月に切られました。
東京電力は来年3月には仮設の住民への精神的補償金をうち切ります。お金を絶ち、経済的困窮に追い込んで帰還させ、被曝させようとしています。
これは国による「復興」「帰還」という名の棄民政策です。診療所は、帰らない闘いをしている福島県民と共に闘っていきます。
その他にも、小児甲状腺がんだけでなく、様々な健康被害が起こっていること、放射能汚染水を海洋投棄していること、原発労働者や多くの労働者が被曝労働を強制されていること、放射能汚染物質を土盛りの「中間貯蔵施設」に永久保存しようとしていること、など多くの問題があります。

 開院後の5年間の活動を報告

1、甲状腺エコー検査
放射能による甲状腺がんが多発しているので、大人も含めて甲状腺エコー検査を延べ3,000人に行ってきました。
2、避難された住民の健康を守る活動
津波や放射能汚染のために仮設住宅に避難された住民を対象に、仮設住宅を訪問して健康相談を行ってきました。
3、原発労働者や除染労働者の健康を守ること
 原発労働者が原発事故収束のために働いています。また県内の放射能汚染を除去する作業を行っている多くの労働者がいます。彼らの仕事は被曝労働ですが、彼らの働きなしには福島での住民の生活は考えられません。彼らの健康を守って行くことも大事な診療所の仕事です。
4、全国で行っている講演会活動
 講演会活動は、全原発を廃炉にし、第二のフクシマを作らせないための重要な活動だと思っています。私たちは事故以来、全世界で反核を闘っている医師たちとの連携も行ってきました。また被曝医療シンポジウムを隔年に開催してきました。
2015年以来、韓国の反核医師の会が参加してくださっています。また核戦争防止国際医師会議(IPPNW)ドイツ支部から連帯のメッセージを頂きました。
今年1月18日には韓国の国会議員会館で行われた反核韓日国際シンポジウムでは私は招待され講演してきました。
5、県内外に住んでいる避難者への支援
 避難者を支援するために、福島県内だけでなく、全国で「被曝と帰還の強制反対署名」を行っています。今までに4万筆以上集めました。この署名運動は、福島からの反乱の狼煙(のろし)です。

何故、政府が、「福島原発事故はなかった」ことにしようとしているのか。
安倍政権は、戦争法、秘密保護法、共謀罪を制定し、また数々の疑獄を引き起こし国民の不信の声が爆発しました。それに対して衆議院解散と総選挙を強行しました。戦争を放棄した現憲法を改悪し、戦争が出来る軍事国家に日本を変えようとしています。現代の戦争は核戦争です。核兵器を持つには、原発(核技術)が必要です。だから、国は「福島原発事故はなかった」ことにする攻撃を行っているのです。
診療所は、今後も被曝による健康被害を告発し、事故の収束はこれからなんだ、全責任を国と東京電力は取れ、と声を上げて行きます。
診療所の闘いだけでは安倍は倒せません。日本にも民主労総のような労働組合が必要です。11・5全国労働者総決起集会は、闘う労働組合再生の出発点です。
韓国でパククネを打倒した民衆総蜂起にならって、福島の反乱(今すぐ原発をなくせ)で闘う労働組合を作り、東京オリンピックを返上し、憲法改悪・朝鮮戦争に向かう安倍を倒します。全世界の労働者の力で、地球から戦争と原発を無くしましょう。闘う労働組合の国際連帯の力で、私たち労働者の世界を作りましょう。

 

 

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